タリス・スコラーズ
後列左から右へ ドナルド・グレイグ(bass), デボラ・ロバーツ(soprano), キャロライン・トレバー(alto), パトリック・クライグ(alto), テッサ・ボナー(soprano), アンドルー・カーウッド(tenor)
前列 ニコラス・トッド(tenor), ロバート・マックドナルド(bass), サリー・ダンクリー(soprano), ピーター・フィリップス(director), ジャネット・コックスウェル (soprano)
ソプラノ(Soprano)
デボラ・ロバーツ(Deborah Roberts)
清明で伸びやかな声で圧倒的人気を博す。ノッティンガム大学修士課程でルネサンス・バロック音楽の校訂と演奏法を修めた後、校訂といくつかの古楽アンサンブルとの共演を重ねた。
1981年、ブリュージュ古楽コンクールで入賞を契機に、バーゼルに留学。タリス・スコラーズのメンバーとして、世界各地で800回を超えるコンサート、30枚を超えるレコーディングに参加してきた。コンソート・オヴ・ミュージック、デラー・コンソート、ロンドン・バロック、イングリッシュ・コンサートなどのソリストとしても知られる。1998年から、小人数のアカペラ合唱団、ブライトン・コンソートの音楽監督を務める。ルネサンス音楽に深く傾倒するとともに、イタリア語の知識と高度な装飾・レトリック技術をもってイタリア前期バロック音楽にも取り組んでいる。1995年、17世紀の修道女による希少な音楽を集めたリサイタルをラジオで放送した。埋もれた作品の発掘と校訂を続け、ソロ・リサイタルで、また主宰する女声合唱と通奏低音のアンサンブル、ムジカ・セクレータのコンサートで発表している。
テッサ・ボナー(Tessa Bonner)
ロンドンで生まれた。BBCテレビで音楽芸術番組のプロダクション・アシスタントを務めた後、リーズ大学で音楽を勉強した。卒業後、ギルドホール音楽演劇学校で声楽の勉強を続けた。タリス・スコラーズの中心的メンバーであるが、タヴァナー・コンソート、ガブリエリ・コンソート、キングス・コンソートなどでも歌っている。モンテヴェルディ、パーセル、ヘンデルなどのオペラ、バッハ、ヘンデル、シュッツ、ハイドンのソリストとして、A.パロット、P.マクリーシュ、J.E.ガーディナー、Ph.ピケット、Ph.ヘレヴェッヘ、R.ヒコックスなどの指揮者と共演している。英国を中心に古賀矩形のCDのレコーディングも数多い。ロンドンのサウスバンクとウィグモア・ホールにはしばしば出演している。
ジャネット・コックスウェル(Janet Coxwell)
ギルドホール音楽演劇学校で声楽勉強した。1982年、卒業と同時にプロとしてスタートを切り、ソリストとして合唱団員として活動している。タリス・スコラーズ、アカデミー・オブ・エンシェント・ミュージック、ザ・シックスティーンなどのメンバーとして古楽を中心に歌っているが、さまざまなタイプの音楽に関心を抱いている。1989年に40人の合唱団、セシリア・コンソートを結成し、音楽監督を務める。
サリー・ダンクリー(Sally Dunkley)
オクスフォード大学レディー・マーガレット・ホール在学中、ディビッド・ウルスタンとバーナード・ローズのもとで16世紀のポリフォニーへの関心を培った。クラークス・オヴ・オクセンフォードに女性として初めて加わった一人である。最初はウルスタンの指導のもとに研鑽を積み、その後、声楽の楽譜の研究と校訂にたずさわるようになった。この仕事は現在も続けている。1981年からタリス・スコラーズのメンバーとなり、700回を超えるコンサート、30枚を超えるCDに出演してきた。中世・ルネサンス音楽だけでなく、あらゆる時代の音楽に造詣が深い。ザ・シックスティーン、ガブリエリ・コンソートなどでも歌い、ソリストとしてもイギリス内外で高く評価されている。
アルト(Alto)
キャロライン・トレバー(Caroline Trevor)
タリス・スコラーズをはじめ、タヴァナー・コンソート、ザ・シックスティーンなどのメンバーとして活動している。合唱のソリストとして、リサイタリストとしても評価が高い。ヨハネ受難曲(バッハ)のアリアはグラモフォン誌で『すばらしい均衡感をもった美しい声』と賞賛された。またガーディアン紙上で夢のカウンターテナーとも評された。1982年からタリス・スコラーズのレギュラー・メンバーとして活動している。
パトリック・クライグ(Patrick Craig)
リッチフィールド大聖堂聖歌隊員として音楽家のスタートを切り、ケンブリッジ大学セルウィン・カレッジの特待生としてオルガンを勉強した。その後ロイヤル・カレッジ・オヴ・ミュージック在学中にロンドン・ヘンデル・フェスティヴァルで上演されたヘンデルの2作のオペラで主役を務めた。タリス・スコラーズのほか、セント・ポール大聖堂聖歌隊のレギュラー・メンバーとして活動している。女声合唱団の指揮者、ハープ奏者でもある。
ロバート・ハリー=ジョーンズ(Robert Herre-Jones)
タリス・スコラーズ、オルランド・コンソートなどで歌う。ヒリアード・アンサンブルの日本公演で、カウンターテナーのディビッド・ジェイムズが体調不良だったときに、代役として出演したことがある。
マイケル・リーズ(Michael Lees)
テナー(Tenor)
スティーヴン・ハロルド(Steven Harrold)
セント・ポール大聖堂の少年合唱隊員として音楽の道に入った。ケンブリッジ大学セント・ジョン・カレッジで経済学を勉強した。在学中、聖堂聖歌隊で合唱特待生になり、ケンブリッジ卒業後、ウェストミンスター・アビー聖歌隊の大聖堂付書記として歌った後、フリーになった。コンソート歌手だけでなく、ハイ・テノールを必要とするバロック歌手のソリストとしても貴重な存在である。
フィリップ・ケイブ(Philip Cave)
オクスフォード大学クライスト・チャーチで合唱特待生としてサイモン・プレストンのもとで勉強した。タリス・スコラーズのほか、オクスフォード大学ニュー・カレッジ合唱団の大聖堂付書記としても歌っている。また、声楽アンサンブル、マニフィカトや毎年5月に行われるオクスフォード・イギリス歌曲祭の音楽監督を務める。シューベルト、シューマン、フォーレ、ドヴュッシー、そしてバッハ、ハイドン、モーツァルト、ブリテンなども得意とする。
ジュリアン・ポッジャー(Julian Podger)
ドイツのカッセル市で育った。同地の学校を卒業後、ソロ歌手と指揮者としてデビューした。その後ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジで音楽を専攻し、声楽だけでなく、古楽を勉強した。古楽の演奏法の知識を援用して指揮したコンサートは高い評価を受けた。大学院でチューダー王朝時代の教会音楽の演奏法を研究し、自ら合唱団トリニティ・バロックを主宰して古楽を中心に、歴史的アプローチと新しいアプローチを試みながら演奏活動を行っている。2001年10月に行われたバロック・オペラ「オルフェーオ」に出演した。
クリストファー・ワトソン(Christopher Watson)
エクセター大学で音楽を学び、ダルハム大聖堂、および、クライスト・チャーチの歌手として過ごした後、1997年にウェストミンスター大聖堂の歌手としてロンドンに移った。ウエストミンスターの聖歌隊と沢山のコンサートとレコーディングを行い、古楽のテナー歌手としての名声を得た。
ソリストとして、特にバロック音楽に興味を持ち、バッハの受難曲のエヴァンゲリストとして、知的で洗練された演奏で知られている。その他、モンテヴェルディの聖母マリアの夕べの祈り、バッハのロ短調ミサ、ヘンデルのメサイア、ディクシット・ドミヌスなどの演奏を各地で行い、また、ロッシーニの小ミサ・ソレムニス、ブリテンの聖ニコラス、アルヴォ・ペルトのヨハネ受難曲、ジョン・タヴァナーの真夜中のミサ「The Veil of the Temple」などにも参加している。
テネブレ、クラークス・グループ、バンショワ・コンソート、コレギウム・ヴォカーレ・ゲント、カーディナルズ・ミュージック、キングズ・コンソート、サ・シックスティーンのメンバーであり、タリス・スコラーズでも100回以上の演奏会に出演している。
ニコラス・トッド(Nicholas Todd)
タリス・スコラーズの他、ウェルガス・アンサンブル、ヘンリーズ・エイトなどでも歌っている。
アンドルー・カーウッド(Andrew Carwood)
プロのソロ歌手として、コンソートの歌手として、指揮者として経歴を積んでいる。ケンブリッジの聖ヨハネ大学で合唱を学び、クライスト・チャーチやウェストミンスター大聖堂の歌手した後、ブロムプトン・オラトリーで指揮者として5年間を過ごした。
コンソートの歌手として、タリス・スコラーズ、オルランド・コンソート、オクスフォード・カメラータ、パーリィー・インストゥルメント、プロ・カンツィオーネ・アンティクヮなど多くのイギリスのアンサンブルで演奏を行うとともに、ソロ歌手として、ロジャー・ノリントン、ハリー・クリストファーズ、リチャード・ヒコックス、ポール・マクリーシュ、フィリップ・ヘレヴェッヘ、ロバート・キング、クリストファー・ホグウッドと共演してきた。
ジュリアン・ストッカー(Julian Stocker)
ロンドンに生まれ、ヨーク大学を卒業した。ソリストとして、合唱歌手として、オペラやミュージカルの演者として、コンサートやレコーディングなどで活躍している。
ソリストとしては、古楽であるモンテヴェルディの「聖母マリアの夕べの祈り」やヘンデルの「メサイア」から、20世紀のブリテンによる「聖ニコラス」やペルトによる「受難曲」まで、幅広いレパートリーを持つ。特に、バッハの受難曲のエヴァンゲリストとして引っ張りだこであり、一方で、Michael Finnissyの「Shameful Vice」など現代音楽の初演も行っている。また、フランス、イギリス、ドイツ歌曲のリサイタルを行っている。
ウェストミンスター寺院聖歌隊、イングリッシュ・コンソート、アンサンブル・ドゥモン、ワイド・アングル・ヴォイス・シアターのメンバーであり、カーディナル・ミュージック、BBSシンガーズ、タリス・スコラーズ、ザ・シックスティーン、ジェフィリー・ミッチェル・クワイア、CM90、オプス・アングリカヌム、ヨーロピアン・ヴォイシズなどでも歌っている。
バス(Bass)
ドナルド・グレイグ(Donald Greig)
ケント大学卒業と同時に、音楽家として颯爽とスタートを切った。非常に多くのスタイルをこなし、中世の音楽から現代音楽まで幅広く活動する。1985年にタリス・スコラーズに加わり、レギュラー・メンバーとして活躍している。そのほか多くのアンサンブルのメンバーでもある。男声4人のオルランド・コンソートを結成し、ラジオ・テレビに出演して人気を博している。イギリス、ドイツ、アメリカで音楽理論の講義も行っている。映画、演劇の評論家でもある。また女声合唱団の指揮、ハープ演奏、ポップ・ミュージックなど、多彩ぶりを発揮している。
フランシス・ステイール(Franecis Steele)
港湾労働者を父にリヴァプールで生まれた。ホーシャムのクライスト・ホスピタルで教育を受け、オクスフォード大学モードリン・カレッジに進学して、デイビッド・ウルスタインとバーナード・ローズのもとで勉強した。二人の師は彼の文才を高く評価しながらも、ポリフォニーの面白さと音楽研究への関心を彼に吹き込んだ。1975年に大学を卒業。教員、続いて窓拭きを経て、約20年前タリス・スコラーズに加わり、中心的なメンバーとして活躍している。ジョン・タヴァナー、ジョン・ウォードの一連の作品の校訂を行った。なかでもウォードの作品では、バス歌手としての経験を生かして、欠けているバスの声部を補った。
ロバート・マクドナルド(Robert Macdonald)
ヒアフォード大聖堂の聖歌隊員をした後、オクスフォードのクライスト・チャーチの奨学金を得て、生化学と音楽を学んだ。
ロイヤル・アカデミー・オヴ・ミュージックで短期間の勉強をした後、ソリストとして、コンソート歌手として経歴を積んだ。コンソート歌手としては、タリス・スコラーズ、ザ・シックスティーン、キングズ・コンソート、ヒリアード・アンサンブル、ガブリエル・コンソート、カーディナル・ミュージック、クラークス・グループなどで歌っている。
c.
ソリストとして、バーミンガム市交響楽団、ジョン・エリオット・ガーディナーのモンテヴェルディ合唱団と共演、また、ドンジ・ジョバンニ、魔笛などのオペラにも出演している。
ジョナサン・アーノルド(Jonathan Arnold)
オクスフォード大学、ロイヤル・アカデミー・オヴ・ミュージックで学んで以来、ソリストとして沢山のイギリスのオーケストラと共演している。一方、ザ・シックスティーン、タリス・スコラーズ、ヒリアード・アンサンブルでも歌っている。
トマス・タリス 40声のモテット(Spem in alium 御身よりほかにわれは)
1985年録音参加メンバー
Tessa Boner, Sally Dunkley, Charles Daniels, Nicolas Robertson, Jeremy White
Alison Cooke, Mary Nichols, Richard Stevens, Mark Padmore, Francis Steele
Alison Gough, Theresa Lister, Matthew Bright, Rufus Müller, Julian Walker
Ruth Dean, Rachel Platt, Robert Harre-Jones, Andrew Murgatroyd, Stephen Jackson
Ruth Holton, Frances Jackson, Graeme Curry, Angus Smith, Simon Birchall
Teresa Webber, Mary Seers, Adrian Hill, Douglas Leigh, Paul Woodmansterne
Nicola Jenkin, Poppy Holden, Michael Lees, Philip Salmon, Peter Harvey
Jane Armstrong, Elisabeth Priday, Caroline Trevor, Nicholas Mitchell, Simon Davies, Donald Greig